2021/3/29(Mon)宇城市大野川の防除状況を確認しました

 大野川では、2020年から本格的に防草シートによる防除が進められていますが、まだまだ大きなヒガタアシ群落がたくさん見られます。特に、川の流心近くに離れて生育している群落については、シートの設置をするにも、資材を搬入するまでの経路を長くとらねばならないため、さらに防除のハードルが高い状況です。

 それでも大野川の河口域の右岸側の多くは防草シートが敷設され、かなりの広域で防除が進んでいます。また、資材も風や波でめくれにくい丈夫なものが使用されており、従来よりもより強固にヒガタアシの再生を抑えているように見えました。


2021/3/28(Sun)熊本市坪井川の防除状況を確認しました

 坪井川では防草シートを用いた防除が2018年から実施されており、重機で浚渫等ができなかった全生育範囲が防草シートで覆われています。面積としてはかなり広域に及んでおり、設置時の苦労が伺えます。所々でシートがめくれている場所があり、一部に再生が見られたものの、そのような状況は非常に稀であり、坪井川ではほぼ根絶に至っていました。

 今後、一部の再生から発生した種子や埋土種子から新たな群落が発生しないよう注視が必要です。また、防草シート撤去のタイミング及びそこにかかるコストが課題と考えられました。

2021/3/19(Fri)日本生態学会第67回大会で発表を行いました

 近畿大学を中心としたグループが、3月17日~21日に開催された日本生態学会第67回大会においてポスター発表を行いました。タイトルは「日本に侵入したSpartina属植物の遺伝的多様性とその侵入経路」とし、これまでの研究成果を発表するとともに、山口県で新たに確認されたヒガタアシについてアナウンスを行いました。

2021/3/3(Wed)“International Journal of GEOMATE”に掲載されました

  名古屋工業大学を中心としたグループによるヒガタアシの生育に関する研究成果論文が、“International Journal of GEOMATE”に掲載されました。本論文では碧南市に生育するヒガタアシについて、群落密度、位置、pH、NaCl濃度、海面からの地盤高の調査を行い、GLM(一般化線形モデル)を用いて、habitatの生育のしやすさに関する予測モデルを作成したものです。この分析によって、habitatの選好要因として海面からの地盤高が突出して高いことが明らかとなり、ヒガタアシの防除する場合には、潮間帯エリアの地盤高の高い場所をなくしていく必要性があることが示唆されました。

 

【論文情報】

Michiko Masuda, Tetsuya Morioka, Fumitake Nishimura. THE ENVIRONMENTAL PARAMETERS CONTROLLING THE HABITAT OF INVASIVE ALIEN SPECIES, SPARTINA ALTERNIFLORA IDENTIFIED BY PREDICTIVE MODELING. International Journal of GEOMATE, March., 2021, Vol.20, Issue 79, pp. 62-67 ISSN: 2186-2982 (P), 2186-2990 (O), Japan, DOI: https://doi.org/10.21660/2021.79.GX188 Geotechnique, Construction Materials and Environment

 

2021/3/2(Tue)読売新聞夕刊に山口県下関市の状況が掲載されました

 読売新聞の西日本本社管内、福岡県及び山口県エリアの夕刊に、山口県下関市入川に侵入したヒガタアシについて掲載されました。同記事では、山口県で見つかった経緯や、愛知・熊本両県で見られた影響等について詳しく掲載されており、当会への取材内容についても掲載されている。

2021/1/24(SUN)2021年度 総会・学習会を開催しました

 2021年度の総会及び学習会を開催しました。今年度は新型コロナウイルス感染症対策として、ZOOMを用いたオンライン形式で、愛知県と熊本県とのやり取りを中心に、各地にいる会員へも中継を行いました。

 学習会ではドローンを使用したモニタリングの有効性についてや、熊本県で実施されているヒガタアシの生態の研究について講演を行いました。また、講演後の総合討議では、例年のように非常に盛況で、今年度も新しく侵入が確認された山口県での現状についてや、既存の確認地点・防除後の地点のモニタリングの効率化について、特に議論が交わされました。このような議論が交わされていく中で、国内の防除が進展していくことを目指していきたいと思います。

 

【2021年度日本スパルティナ防除ネットワーク学習会】

 日 時:2021年1月24日(日)

    10:45~12:00(受付開始 10:35~)

場 所:名古屋会議室 名駅モリシタ名古屋駅前中央店

    7階 第4会議室(名古屋市中村区 名駅 3-13-31)

主 催:日本スパルティナ防除ネットワーク

    (あいち森と緑づくり環境活動・学習推進事業 交付事業)

次 第;

10:45~10:55 開会挨拶

芹沢 俊介(日本スパルティナ防除ネットワーク 代表/愛知教育大学名誉教授)

 

10:55~11:10 発表①

タイトル:外来生物とSDGs、そして「ポスト愛知目標」

演  者:花井 隆晃(日本スパルティナ防除ネットワーク)

  

11:10~11:25 発表②

タイトル:ドローンを活用したモニタリング調査の試み

演  者:花井 隆晃(日本スパルティナ防除ネットワーク)

 

11:25~11:40 発表③

タイトル: ヒガタアシ植物個体の再生と分解

演  者: 松田 竜也・山田 勝雅・逸見 泰久(熊本大)

 

11:40~11:55 総合討議

題 目:「スパルティナの国内根絶に向けて」

司 会:瀧崎 吉伸(日本スパルティナ防除ネットワーク)

 

11:55~12:00 総  評

 

12:00 閉会